シーズン商品の正しい改装
シーズンが変わるとアイテムバランスの変更で必要な什器は変わります。対応できなければ美しい陳列は維持できません。
美しさをキープするためにはVMDプランの作成が必要です。
プランを作ってはじめて、使い勝手が良く美しさも保てる売場が実現します。
構成商品の変更に対応できる什器を用意する
シーズンが変わっても商品を美しく陳列したい
シーズン商品を扱う売場を改装する際の重要なことに、シーズンが変わってもグルーピングがきちんと表現でき、商品を美しく陳列できる什器を用意することがあります。
シーズン商品を扱っている売場はシーズンによりアイテムが変わり、アイテムバランスも変わります。
それに伴い、商品を陳列する什器の機能(吊るし、たたみ)の変更も必要になってきます。
アイテムバランスの変更で必要な什器が変わる
例えばTシャツが減り、ジャケットやコートが増えてくると、必要な什器が棚什器からラックに変わります。
夏に展開されるサングラスは冬には減り、あるいは無くなり、手袋、マフラー等が並びます。
サングラスもマフラーも棚やフックで陳列しますが、サングラスに必要な棚の長さと手袋に必要な棚の長さは商品の展開数量により異なります。
それからサングラスと手袋とでは陳列用什器の機能が違います。
例えば奥行35センチの棚が6メーター分必要とか、フックを掛けるバーが3メーター分と、それに掛ける奥行20センチのフックが25本必要、あるいはサングラス専用の陳列器具が30個必要など、商品により、また、商品の数量により必要な什器の機能とサイズ、数量が違ってきます。
プランの作成が売場の崩れを防ぎ、美しい陳列が実現する
改装オープン後、陳列に苦労する理由
構成商品の変化に対応した改装をしなければ、オープン後商品を並べるのに苦労することになります。
実際に、商品のグルーピングが思ったようにできずに苦労するといった場面が、改装オープン後しばしば見受けられます。
これはグルーピングの大きさに合った什器のレイアウトや商品陳列に必要な什器の機能をきめ細かくプランしていないからです。
売場は、変わる商品構成に什器の機能やレイアウトが対応できないから崩れていくのです。
VMDプランは年4~6回分作成する
シーズン商品の場合は、1年を4~6回に分けそれぞれの展開プランを作成します。
それに対応できる什器の機能とレイアウトがなければ、顧客本位のグルーピングや美しい陳列は実現できません。
そのために作成すべきプランがあります。
そのポイントは、大・中・小分類を決めて、分類ごとの面積、什器台数、展開数量等を決めるなど数値に基づいたプランを立てることです。
分類ごと、アイテムごとに機能別の長さを平場、壁面など条件に応じて換算します。更に什器1台1台に商品を当て込んで、什器の機能と組み方を確認します。
このようなプランを立てて始めて、オープン後1年間を通して使い勝手の良い什器レイアウト、什器の機能・サイズを実現できるのです。
VMDプランの作成
展開分類、ゾーニング、分類ごとの在庫(店頭、ストック)、型数と数量、機能別サイズ什器台数、什器1台当たりの商品数量、そしてカウンター、椅子、試着室の面積と数を網羅したプランを作成。
VMDプラン1:大分類レベルの展開分類、ゾーニング、競合店の展開ポイント
VMDプラン2:中、小分類ごとの面積、型数・数量、什器台数
平面図、立面図と什器1台ごとに総量とグルーピング、商品点数を当て込んだプランを作成する
まとめ
1. 売場管理者の意識の低さと知識の無さ
2. 変わる商品構成に什器が対応できない
3. カウンター回りの収納のプランがない
1.大分類レベルの展開分類、ゾーニング、競合店の展開ポイント
2.中、小分類ごとの面積、型数・数量、什器台数
3.平面図、立面図と什器1台ごとに総量とグルーピング、商品点数を当て込む
お知らせ
科学的な改装に欠かせないデータシート(MDプラン・VMDプラン)の詳細については、『伊勢丹に学ぶ「売れる!」店作り Kindle版』(武永昭光著)にて解説しています。
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