リモデルにはソフトの改善を伴うレシピがある
ハード(床、壁、天井、什器、照明等)だけを新しくする改装、感性のみを追求した改装では売上は上がりません。
改装にも「レシピ」があります。レシピに基づいた科学的な改装が成功には不可欠です。
我が家の新築と同様に「好きなデザイン」「好きな素材」「好きな色を選ぶ」といった感性のみを追求する改装なら楽しいですが、科学的な改装はそうはいきません。
勉強する必要もあり、ソフトにも投資しなければなりません。これを怠ると、正しい改装が浸透せず、改装の効果が得られないのが事実です。
従来型の改装のレシピ
(本来は色など感性面のチェックはするべきではありません。感性の部分はデザイナーに任せるべき範疇で、店舗側は科学の部分をチェックすべきです。)
従来型の改装は以上の3項目のみです。しかし、これでは重要な項目が欠落しています。
MDやVMDといったソフトを伴ったリモデルでは全部で9項目の実施を必要とします。
ソフトの改善も伴う改装のレシピ
ソフトの改善も伴う改装にはMDとVMDのプランが必要です。
合わせて9項目あります。これらを順に進めていきます。
これが改装後の売り上げを伸ばすための「改装のレシピ」です。
基本政策の策定
ターゲットの見直し
商品政策の見直し
6ヶ月計画の策定
大・中・小分類見直し
グレード毎のプライスの決定
プライスの見直し
分類別予算の決定
型数の決定
収集データの決定
構成ブランドの決定
機能(ハンギング・フォールデッド)の決定
商品のサイズ(高さ、幅、奥行き)を商品毎に把握
什器1台当りの面積をタイプ別、サイズ別に決定
分類毎の面積、在庫、什器台数を決定
デザイナーにVMDプランの中身を伝える
デザイナーがお店のコンセプト、顧客ターゲット、リモデルシートに基づき、床、壁、什器、照明等のデザインと什器レイアウト、什器の機能・サイズをプランする
デザイナープランの平面図への配置と数量の当て込みプラン作成
デザイナープランのエレベーションに壁面、柱面の当て込みプラン作成
什器1台毎に商品を当て込み
当て込みの結果をデザイナーに伝える。修正要望等があればそれも伝える
デザイナーが当て込みの結果や修正要望を踏まえ、最終プランを作成
IPツール(陳列に必要なツール)の確認
VP、PPのプラン(設置箇所、ボディ、テーマ等の決定)
プランに基づいた売り場づくり
3つの売り場テーマの設定
3つの距離に応じた3種のPOP
3種のPOPの3つのテーマ
プライスカード
まとめ
改装を成功させるには従来型ではなくソフトの改善も伴う改装が必須で、改装の成功に必要なレシピは9項目ある。
2.VMDプラン作成
3.デザイナーにインプット
4.デザイナーがプラン作成
5.当て込みプラン作成
6.デザイナーに結果を伝える
7.デザイナーが最終プラン作成
8.IP・VP・PPの仕上げ
9.POPの作成
その他の概念について
改装以外の概念についてもわかりやすく整理してみました。
参考にしていただければ幸いです。
お知らせ
科学的な改装に欠かせないデータシート(MDプラン・VMDプラン)の詳細については、『伊勢丹に学ぶ「売れる!」店作り Kindle版』(武永昭光著)にて解説しています。
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