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あなたのお店を繁盛店にする極意を公開! 書籍で学ぶ『最新・最強の処方箋』とは?

MDの基礎の”基礎”覚えましょう

以前に繊研新聞に掲載されたインタビュー記事、『FBプロフェッショナルへの道 明日のために―その7 MD編』を紹介します。

「今回はMD編です。消費者のニーズにあった品揃え、企画を実現していくには、何が必要なのでしょう。ショーアンドテルの武永昭光さんにお話いただきましょう。」で始まります。

商品の売れ行きをどう説明するか

小売店を成功させるためには①お客様の欲しい商品を仕入れること、②仕入れた商品を売れる様に(お客様が買いやすいように)並べ、ディスプレーすること、③お客様の満足を追求する販売サービスの三つが不可欠です。

お客様の欲しい商品を仕入れることをMD(マーチャンダイジング)といいます。ちなみに売れる様に商品を陳列することをVMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)と呼びます。

さて、皆さんが売り場で、上司から、「今、何が売れているの?」と聞かれたら。どう答えますか。商品の売れ行きを説明するにはいくつかの切り口があります。

商品の売れ行きを知りたい時、その単位はさまざま考えられます。皆さんが売場に立っていて、上司の方から、「今、何が売れているの?」と聞かれたら何と答えたら良いのでしょう。わかりますか?

何が売れている?

その一つがアイテム情報です。例えば、「ニットが売れている」とか、「スカートの動きがいい」などです。

二つ目がブランド情報です。「AブランドとCブランドは好調だけれど、Bブランドが不調」といった具合です。

三つ目は価格帯です。「低価格品は動きがいいが、高価格帯は売れていない」などど分析できます。

このように「売れている・売れていない」は様々な切り口から答えることができるのです。
売れ行きを正確につかむためにはデータの収集が必要です。あらかじめ何の情報を分析したいのか、明確な目的がなければなりません。アイテム別の動向をつかむにはアイテム別分類データ、ブランドの推移はブランド別売り上げデータ、価格動向にはプライス別売り上げデータが必要になります。

分類はMDの基礎

データだけではありません。売れ行き内容を細かに把握するためには「分類」が必要です。

例えば、ワインを扱うお店が三つあったとします。A店は国産品と輸入品の2分類で、B店は国産品と輸入品を7つに分けており、合計8分類です。C店は産地別の8分類を、それぞれ原料別(赤・白・ロゼ)に三つに分けているので全分類は24です。当然、売れ行き情報が一番、細かく分かるのはC店です。

分類を細かくしておくことで、品揃えの修正の精度上げることができます。ワインの店の例で言うと、A店では2分類で商品を拡大したり、縮小することができます。B店の場合は8分類、C店では24分類ですから一層、細かな品揃えの修正が可能になるわけです。

分類の違いで異なる対策

店舗 分  類 対 策
A店 国産品と輸入品の2分類 2分類の拡大・縮小
B店 国産品と輸入品7つの8分類 8分類の拡大・縮小
C店 産地別8分類と原料別3分類の24分類 24分類の拡大・縮小

分類の大・中・小

MDの基本は、ターゲットにしている顧客が欲しいものをつかみ、それを品揃えすること。品揃えの中身を売れるようにすることです。その基礎となるのが「分類」なのです。

MD上の分類は、さまざまな切り口から「売れる・売れない」検証して品揃えの中身をニーズに近づけるためのものです。先ほどの、A、B、Cの3店では、品揃えをより顧客ニーズに近づけることができるのは、分類が細かいC店ということです。分類の仕方によって品揃えの修正や対応策が違ってくるのです。

商品分類と展開分類

分類には商品そのものの分類(商品分類1)、プラン作成や分析に使うMD上の分類(商品分類2)、お客様の購入基準にそった展開分類の三つがあります。

商品分類1 商品そのものの分類
商品分類2 プラン作成や分析に使う分類
展開分類 お客様の購入基準にそった分類

対象別分類・用途別分類・関心度分類

”誰が使うか”を明確にするのが「対象別分類」、”いつどこでどんな場合に使うのか”を分ける「用途別分類」、”お客がその「商品の何に関心を持つのか”とのアプローチによる「関心度分類」です。

対象別分類 使う人は誰か エイジ、グレード、テイストなど
用途別分類 いつどこでどんな場合に使うのか 機能、場所、オケージョンなど
関心度別分類 お客がその商品の何に関心を持つのか アイテム、素材、デザインなど

対象別分類にはエイジ(年齢)別、グレード(収入・価格帯)別、テイスト(嗜好・感度)別、性別など、用途別分類には機能別、場所別、オケージョン別など、関心度別分類にはアイテム別、ブランド別、デザイン別、素材別、色別、サイズ別などの分類があります。これらエイジやアイテムなどを分類基準といいます。例えば、分類基準「アイテム」で分けると、シャツ、ハンカチ、タオル、フライパンなどとなります。

商品分類2と展開分類は「対象別分類・用途別分類・関心度分類」を使って、大・中・小分類を決めます。

※実際に掲載された内容は、行き違いによって訂正が間に合わず、上記とは異なります。詳細は最後をご覧ください。

分類基準と分類名

エイジ、機能、アイテムといった項目は「分類基準」と呼びます。「アイテム」の項目から分けると、シャツ、ハンカチ、タオル、フライパンなどになります。

分類基準 分  類  名
エイジ ヤング・アダルト・シルバー
グレード プレステージ・ベター・モデレート・バジェット
テイスト アドバンス・アップトゥデイト・コンサバティブ
アイテム  シャツ・ハンカチ・タオル・フライパン
ブランド Aブランド・Bブランド・Cブランド
素材 綿・ウール・アルミ・木
赤・黄・緑・青・茶・白・黒
オケージョン カジュアル・ビジネス・フォーマル

見てきたとおり、大・中・小の3分類を具体的な品揃えに設定するためには、「分類基準」と「分類名」の関係を理解することから始めなければなりません。大分類の次に、いきなり最小の単位である単品に飛んでしまったり、大・中・小の明確な分類を設定していない店は意外に多いのです。分類が明確でないと、科学的な店舗運営はできません。分類の正しい理解は、科学的な店舗運営の第一歩なのです。

四つのポイント

多くのお店が重要なのに実践できていない、MD上の欠落点は四つあります。一つは「分類の決定」、二つ目は「型数の決定」、三つ目が「データの収集」、四つ目が「科学重視」です。

分類はとても大事ですが、その重要性は看過されがちです。商品を仕入れるときは、アイテムごとの金額と数量だけではなく、型数も決めないと、仕入れの中身をイメージしにくいし、それを店頭でのMDに都合の良い形として、把握することは難しいものです。「分類」がないと、金額と数量を型数別にすら分けられないのです。

小売には「感性」重要ですが、データを参考にした「科学」も不可欠です。「売れているか」と聞かれたとき、判断基準となる前年実績や予算、競合店の売れ行き状況などのデータがなければ、答えられません。まして、自店の売り上げデータが不備では感覚で答えるしかありません。システムがないので売れ行きが分からないというお店もあります。そんなときも諦めてはいけません。データは手作業でも十分に取ることができます。問題はデータや分類など科学的なMDへの正しい認識と意欲です。
四つの欠落部分を克服することは、あなたが担うお店の業績アップのカギとも言えるのです。

まとめ

ニーズにあった品揃えの実現に不可欠なこと。それは三つあります。1つ目は、様々な切り口での売り上げデータです。アイテム別、ブランド別、プライス別、機能別、色別、素材別、サイズ別などお店の状況によって必要なデータを収集して、品揃えの改善に役立てます。

2つ目は分類の理解です。分類は様々あります。「商品分類・展開分類」の違いと「対象別分類・用途別分類・関心度分類」を正しく理解する必要があります。

3つ目は大・中・小分類の決定です。MD上の商品分類と展開分類は「対象別分類・用途別分類・関心度分類」を使って大・中・小分類を決めます。

お知らせ【原稿の間違い訂正が間に合わず】

ここで紹介した記事に誤りがありました。私の説明不足により編集者の方が誤解してしまい、原稿の修正依頼をしたのですが、行き違いがあって、そのまま掲載されてしまいました。
ここでは訂正後を載せましたが、訂正前の原稿も紹介致します。

訂正箇所その1

分類には商品そのものの分類(商品分類1)、プラン作成や分析に使うMD上の分類(商品分類2)、お客様の購入基準にそった展開分類の三つがあります。

この内容は下記の様に掲載されてしまいました。

分類には商品そのものの分類(商品分類1)、プラン作成や分析に使うMD上の分類(商品分類2)、お客様の購入基準にそった展開分類の三つがあります。
これを大分類といいます。

訂正箇所その2

 ”誰が使うか”を明確にするのが「対象別分類」、”いつどこでどんな場合に使うのか”を分ける「用途別分類」、”お客がその「商品の何に関心を持つのか”とのアプローチによる「関心度分類」です。
商品分類2と展開分類は「対象別分類・用途別分類・関心度分類」を使って、大・中・小分類を決めます。

この内容は下記の様に掲載されてしまいました。

分類には「誰が・何を・いつ・どこで・どうやって」を明確にしたものもあります。これは「商品MD分類」と「展開分類」から導き出すことができるもので”誰が使うか”を明確にするのが「対象別分類」、”いつどこでどんな場合に使うのか”を分ける「用途別分類」、”お客がその「商品の何に関心を持つのか”とのアプローチによる「関心度分類」です。これが中分類です。

訂正箇所その3

対象別分類にはエイジ(年齢)別、グレード(収入・価格帯)別、テイスト(嗜好・感度)別、性別など、用途別分類には機能別、場所別、オケージョン別など、関心度別分類にはアイテム別、ブランド別、デザイン別、素材別、色別、サイズ別などの分類があります。これらエイジやアイテムなどを分類基準といいます。例えば、分類基準「アイテム」で分けると、シャツ、ハンカチ、タオル、フライパンなどとなります。

この内容は下記の様に掲載されてしまいました。

そして小分類では、まず「対象別分類」で、エイジ(年齢)、グレード(収入・価格帯)、テイスト(嗜好・感度)、性別などで顧客対象を分類し、「用途別分類」では機能別、場所別、オケージョン別など、関心度別分類はアイテム別、ブランド別、デザイン別、素材別、色別、サイズ別に客層や売れ筋を分類していくわけです。これらエイジやアイテムなどを分類基準といいます。例えば、分類基準「アイテム」で分けると、シャツ、ハンカチ、タオル、フライパンなどとなります。

訂正は以上の3箇所です。このとき分類について正しく理解することが如何に難しいかを改めて感じました。

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本書のサブタイトルは「分類を制するものMDを制する」です。”分類”は小売店にとってとても重要なもので、分類が適切で社員の信頼を得られるようなものでなければ、商品の仕入れのときや売場を作るときにも個人の勘に頼って進めることになります。

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小売店がまずやらなければならないことは自店が狙うお客様を決めることです。具体的には所得は〇万円くらい、年齢は〇歳くらい、趣味や嗜好は〇〇などと決め、その人たちに支持される商品を揃えます。このようにターゲットを決めて、その人たちに支持される品揃えを実現する活動をマーチャンダイジング(Merchandising)、略してMDと言います。

本書ではターゲットの決め方、そしてターゲットのニーズにどうこたえていくのか、その考え方を具体的に解説しました。現在の品揃えをどのように改善していくのかについても具体的な数値を使って説明しています。仕入れを担当するバイヤーが本来作成しなければならないMDプランのサンプルも紹介します。本書を読んでまずは現在の品揃えの改善に着手しましょう。

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