ポップで売り上げを上げるために重要な【文字を使って伝える技術】
ここでは「繊研新聞のFB連続小講座」に掲載された、POPに関する寄稿を紹介します。
「文字を使って伝える技術」と題し、内容はPOPで売り上げを上げるために必要なことについてです。
1回目の記事タイトルは「POPを売り上げにつなげる」、2回目は「売り上げを左右する記載内容」、3回目は「伝えたいことを整理する」となっています。
POPを売り上げにつなげる
POP(店頭広告)は物言わぬ販売員と言われ、テーマを伝えるための重要なツールです。
POPで売り上げを伸ばすことも十分可能です。それを実現するにはまず目にしてもらい、読んでもらって内容が伝わることです。
そのために体裁を整え、文字数を適正にします。
売り上げに結びつけるために重要なのは記載内容です。
ディスプレーもPOPも、売り上げに貢献するためにはテーマの設定が欠かせません。
ディスプレーは商品を使って視覚に訴えますが、POPは文字情報でテーマを伝えます。
これからPOPの新たな常識として、見てもらい読んでもらうため、そして売り上げに結びつけるための記載内容について述べます。
見てもらい、読んでもらうために
見てもらうためには、体裁を整えます。
体裁を整えるには、用紙の色や形、サイズ、文字の色や字体、レイアウト、数量、設置場所などをルール化します。
POPの代表的なルールとして6項目挙げます。
ルールを決め、個人の感性に任せないことで、自然にお客様の目に留まり、読んでもらうための環境が整います。
読んでもらうためには、文字数に気をつけます。
お客様にお知らせしたい情報はたくさんあります。
だからといって多くの情報を詰め込むと、文字数が多くなって文字も小さくなるので、お客様は読む気が失せます。
歩きながら目を向けるお客様が、一瞬で読むことができる文字数は限られています。
家のソファーでくつろいで読むのと違って、お客様が立ち止まって読むのはせいぜい15秒足らずです。
その間に読める文字数は70文字程度です。ですから、タイトルを除いた説明文は、確実に読んでもらえるよう30~40文字にします。
ディスプレー同様、発信したい情報がたくさんあったとしても、欲張らずに絞ります。
適正な文字数で、なおかつお客様との距離を考慮した文字のサイズにすることで、確実に伝わります。
POPの代表的なルール
2.サイズ:縦、横のサイズを決める
3.付ける位置:商品の左、什器の上など設置する場所にもルールを決める
4.付け方:付けるための器具を決める
5.レイアウト:POPの構成、プライスカードなら価格は下、右など
6.付ける数量:多すぎず、少なすぎず数量をルール化する
売り上げを左右する記載内容
POP(店頭広告)を売り上げに結びつけるために重要なことは内容です。
三つに分けて具体例を紹介します。
何を言いたいのかよく分からない例
婦人服店のPOPを紹介します。
説明文に具体的な情報を盛り込むべきです。
抽象的なので、何を売りたいのか、何をアピールしたいのかが分かりません。
どのように楽しむのか、どのような大人なのか。
最後まで読んだとしても、引きつけられる具体的な文言がないので、売り上げには貢献できません。
説明文に70年代ファッションの特徴とコーディネートの一例を具体的に載せ、文字数は40文に収めます。
説明文はタイトルを補足、関連した内容にして、文字数にも配慮します。
文字数が多いので、絞る必要がある例
こちらも婦人服店です。
第1テーマはアイテムの「コート」、第2テーマは機能の「3WAY」、第3テーマはデザインの「シンプル」、第4テーマは特徴の「異素材の組み合わせやこだわりのフード」、第5テーマは「ライナーはダウンブルゾンとして着用」です。
文字数が63字は多いです。
ディスプレーのコートを見れば分かる「シンプルなデザイン」をわざわざPOPで伝えることは諦めます。
今年らしいデザインの異素材の組み合わせやこだわりのフード、そして、ライナーのブルゾンを着用を残します。
改善例
改善例を紹介します。
こちらの方が最後まで読んでもらえ、特長も伝えられるので、売り上げに結びつく確率は高いはずです。
伝えたいことを整理する
婦人服店と紳士服店のPOP
婦人服店のPOP(店頭広告、33字)と紳士服店のPOP(店頭広告、34字)です。
これらのように、わかりやすい言葉で簡単にまとめましょう。
「おしゃれ」「ファッショナブル」「洗練された感じがする」などの理由で、雑誌の文言やメーカーの企画書を引用しても、読む人が共感できるPOPにはなりません。
何を売りたいかを決め、自分が商品を販売する時、お客様に話していることを思い出しながら説明文を考えると良いです。
それが売り上げに貢献できるPOPを作成する近道です。
テーマ設定が決め手
見た目のかわいらしさや遊び心のあるPOPをたくさん貼れば、売り上げが伸びるわけではありません。
購入の後押しをするためには、独創性や芸術性の高さではなく、商品の魅力を確実にアピールできる内容にします。
ディスプレー同様、ファッショントレンド、アイテム、ブランド、オケージョン、素材、柄、色、デザイン、機能、価格、コーディネート、歳時記・行事など具体的な項目に着目して発信する内容を絞ります。
アピールの具体例
テーマの「アピールポイント」と「アピールしたいこと」の具体例を見てみます。
売り場として打ち出したいことがトレンドのマリンで、該当する在庫が豊富であれば、それをテーマにできます。
お知らせ
ポップで売り上げを上げるためにやることをまとめた書籍があります。全部で5冊あり、税込500円です。
1冊は伝えるために大事なこと、そして売り上げに結びつけるために必要な記載内容の決め方について解説しました。
他の4冊は商品別に改善事例や模範となる事例を元に「3つの重要ポイント」について解説しています。ではそれぞれを見ていきましょう。
伝えたいことを伝えて、売り上げに結びつける本
題名は『POPは見た目よりことば:大事なことは中味が伝わることと伝える中味』です。
『POPは見た目よりことば』概要
本書では事例を交えながら以下を解説しています。
2.お客様のストレスを軽減するためにポップのルールを決める
3.売りたい商品を決めて情報を集め、整理して優先順位をつける
4.お客様とポップの距離を考慮して距離に合ったふさわしい内容にする
伝えたいことがきちんと伝わり、伝わった内容が魅力的なポップは売上に貢献します。本書はそのようなポップの作り方を解説しました。読んでもらうための原則、プライスカードなどのルールの決め方やルールの一例、売上を伸ばすポップ作成の手順を学べます。
『POPは見た目よりことば』詳細
『POPは見た目よりことば:大事なことは中味が伝わることと伝える中味』の目次など詳細はこちらをクリック
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⇒ POPは見た目よりことば:大事なことは中味が伝わることと伝える中味
商品別の改善事例や模範となる事例で学べるポップの本
商品のジャンルを「婦人服」「婦人服飾雑貨」「紳士服」「ホーム」の四つに分けて、改善事例や模範となる事例を元に「3つの重要ポイント」について解説しています。
・伝えたいことが絞り込まれているか
・伝えるべきことを伝えているか
・タイトルと説明文に整合性があるか
前述の『POPは見た目よりことば』で解説した下記を前提として作成します。
しかし、実際にどうなのかを更にチェックするポイントがあります。それが上記の3つの重要ポイントです。
下記の4冊ではこれらについて事例を元に解説しています。
2.お客様のストレスを軽減するためにポップのルールを決める
3.売りたい商品を決めて情報を集め、整理して優先順位をつける
4.お客様とポップの距離を考慮して距離に合ったふさわしい内容にする
『売り上げが伸びるPOPの作り方 婦人服飾雑貨編』
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『売り上げが伸びるPOPの作り方 婦人服編』
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『売り上げが伸びるPOPの作り方 紳士服編』
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『売り上げが伸びるPOPの作り方 ホーム編』
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⇒ 売り上げが伸びるPOPの作り方 ホーム編