セール期の売り場展開の仮説
以前に代表の武永昭光が繊研新聞に投稿した「クリスマスのVMD・セール期の売り場展開の仮説」の「セール期の売り場展開の仮説」を紹介します。
クリスマス商戦が始まる頃、街はイルミネーションに覆われ、店のショールームは華やかに飾られ、お客様にとって1年で最もワクワクするシーズンです。
クリスマスが終われば冬物セール。
寒さが厳しくなっていく中で、セール品の並べ方やプロパー品とのバランスなど売り上げを最大化するための工夫が求められます。
セール時の売り上げの最大化を追求する
クリスマス商戦が終わると、冬のセールが始まります。
セール期間中の売り上げが最も高くなる展開分類や配置、そしてプロパーとセールの面積比率のベストがあるはずです。
今まで通りがベストかも知れませんが、変えた方がもっと売れる可能性もあります。
展開分類や配置など何が最善なのか。仮説をいくつか立てて比較・検証することで、正解を導き出すことができます。
プロパー商品とセール商品が混在している場合には、まずプロパー商品とセール商品に分け、セール商品は割引率、またはアイテムで分ける。あるいは、まずアイテム別に分けてから、それをプロパーとセールに分けるなどいろいろな展開が考えられます。
プロパー時期にアイテム別で展開している売り場も、セールの時期には割引率ごとにまとめたり、○円均一などの価格別、あるいは色別に分類して見せたほうがお客様の反応は良いかも知れません。
何となく昨年までと同じことをやるというのではなく、○月○日から○日までの期間、展開分類を○別にしたところ、売り上げはいくらで前年と比べると○%の増(減)だったなどと数値で把握します。
それを何度か繰り返して比較、検証することでセール時の展開分類のベストが判明します。
様々な仮説を立てて売り上げの変化を検証する
売り上げの変化は、アイテムごとに現れる場合も、売り場全体で現れる場合もあります。
配置の違いによっても、売り上げが変わるかも知れません。
例えばセールの主力商品を視認性が高く、直接手に触れることのできる前面で展開した場合と壁面で展開した場合を比較します。
あるいは時期によるベストの配置もあると考え、仮説を立てます。
例えば、少し落ち着いてきた時には前面、壁面、中央のどこが良いのか、売り上げの違いを試してみます。
いろいろな配置での売り上げの違いを検証することで、その時期のベストの配置が分かります。
セールが始まってから1~2週間はセール一色でしょう。
しかしその後セールをいつまで引っ張るか、そしてセールのスペースをどの程度にするかということも重要です。
セールが始まった1週目はどのくらいの配分がベストなのか、2週目、3週目はそれぞれどうなのか、幾シーズンか通してみることで正解が出ます。
それからセールを早く縮小した場合と遅くまで引っ張った場合の売り上げの違いや割引率を少しずつ大きくしたときと一気に下げたときの違いなども判明します。
セール時にも独自のノウハウを蓄積する
このように仮説を立てて検証することにより独自のノウハウを蓄積できます。
答えが出るまで検証する作業は大変ですが、従来と同じやり方では、売り上げも従来と同じです。
セールの時期も様々な仮説を立てることができます。業績を伸ばすために、今までと違うことを試してみましょう。